鮭獲り


アラスカの夏は、サーモンの季節!
今年も鮭獲りに行ってきた。


昨年の経験上、鮭の捕獲にはディップネッティングという方法を取る事にしている。このディップネッティング、友人のくまさん曰く「鮭すくい」と表現するのが、一番近い。





金魚すくいではなく、鮭すくい。


こんな言葉、日本語にあるのか?




大きな鮭を、網ですくって獲る。
この網が、ハンパでなく大きい。軽く人間が入るぐらいの大きな網を使って、海から川に上ってくる鮭を狙う。
ディップネットが出来る場所も期間も時間も決められているので、みんな必死だ。その短い期間中に、1年分の鮭を獲らなくてはいけないのだから。




去年私達は、1日で41匹の鮭を獲った。(こちらが去年の様子。
その鮭はこの1年間、来客に振る舞ったり日本に持って帰ったり、毎日の食卓に出たりと大活躍した。
鮭が冷凍庫にないアラスカの生活は、もう考えられない。

今年もどうしても、鮭を獲らなければ!!





今年のアラスカの夏は、寒い。
それが理由か、鮭の入りも少ないと聞く。
ちなみにこのシーズン、アラスカの話題は鮭の事が中心。主婦の会話も、鮭がどの川に来てるとか週末に行ったのに、鮭が獲れなかったとかそんな感じだし、連日TVニュースでは今週末はキーナイに鮭が来るぞなどと、人の気持ちを煽る。



鮭の事を考えて気持ちが高ぶるものの、行くはずだった週末に急遽リーガンとムサシがフロリダに行く用事が出来たりして、なかなかキーナイ川が遠かった。そしてディップネットの期限の最週末に、ようやく鮭獲りに行ける事になった。



チャンスはこの週末のみ。天気予報では日曜日は雨が降るが、土曜日は晴れだと言っている。
金曜日の夜から行って、土曜日に鮭を獲るつもり。
土曜日だ。


この1日で、キメなければ。




闘志を燃やす私。


予定どおり金曜日の夜、3時間半かけてキーナイまで行き、浜辺でキャンプ。翌朝6時からのディップネットに備えていた。



しかし翌朝。
目覚めると、雨だった。




それから、ずーーーーーーっと雨。


雨で寒い。
寝袋から出たくないほど、寒い。
テントの窓から覗いてみるも、朝から水の中に入っている人も少なく鮭も来ていないようだ。



ニュースのうそつき...。


仕方がないのでそのまま休み、雨が小降りになってから、ようやくリーガンがごそごそと動き出した。



冷たい水の中に入るリーガン。

笑顔だけど、鮭は来ない。
そのまま3時間も、冷たい水の中にいる事になる。



雨の中でも子供達は、子供は元気。砂で楽しく遊んでいる。


「寒い。凍える。」
と震えて出てきたリーガンの代わりに、私が入った。
1時間、水の中でじっと待った。


そして来た。アタリだ。
網を持っている手がびくっと揺れた。

そのまま網を浜辺まで引きずり見ると、中に大きな紅鮭が入っていた。


それから私は、なんと3匹の鮭を獲ったのだ。
去年は2匹。今年は3匹。進歩しているぞ。

ちなみにこのリーガンが持っている鮭は、ハンピーと呼ばれるピンクサーモン。
アラスカではピンクサーモンなんて、犬しか食べないと言われているが、この鮭を昨夜食べたら美味しかった!



リーガンはと言うと、その後2時間水の中に入るも、小ぶりな鮭を一匹だけ。
あまりに寒くて、それ以上は水の中に入れなかった。



結局、この日の鮭は4匹。
と言うか、今年の鮭は、4匹だけ。




これでどうやって、アラスカの1年を過ごすの?




今年が不運なのか。
それとも、去年がラッキーだったのか?
帰ってまずリーガンと反省会をし、来年の鮭獲りの作戦を今から考えたのであった。


氷河カヤック


友人のくまさんに誘われて、シーカヤックに行ってきた。
場所はブラックストーンベイ。氷河が見られるらしい。



私は、カヤックは初めての体験。
氷河を見ながらカヤックなんて、なんてアラスカらしいアウトドアだ。
とてもワクワクしながら、その日を待った。


その日の参加者は6人。
くまさん夫妻と、日本から来られたくまさんのご両親。そして私達。
アンカレッジから車で1時間程のウィッティアという町からボートに乗っていくらしい。


ウィッティアの港から、このボートでブラックストーンベイまで連れて行ってもらう。


40分ほどボートに乗ってから、カヤックと共に降ろされる。
そこからはレンタルしたカヤックで自分で漕いで、氷河を見に行くのだ。

カヤックは2人乗りで、私は前にリーガンは後ろに乗った。


もうすでに素晴らしい氷河は見えてるし、海の中からラッコやアザラシが顔を出すので興奮する。
私はオールを漕ぐ事よりも、写真を撮るのに忙しい。

結婚記念日行事も兼ねてという事で、こんなラブラブなカモメも激写。


カメラを持っているので、私のオールはそっちのけ。
片手で流されないように持って、海の上に置いてあるだけ。


一旦休憩で陸に上がった時に、とうとうリーガンは私のオールをカヤックに縛り付けてしまった。
これでは漕ぎたくても、もう漕げない。






だって、オールでブレーキをかけてるだけだから。




そんな悲しい事を言われてしまったよ。


じゃあ仕方ない。私は楽をするので、あなたが全部漕いで下さい。


リーガンパワーで、どんどん氷河に近づいていく。


氷河の迫力はすごい。
近くで見ると、本当にすごい。

「すごい。」
と言葉に出してしまうと、その表現にシラケてしまうが、でもどうしてもこの言葉を繰り返して言ってしまう。



「どーん。」
という音がして、氷河が崩落する。それが何度も繰り返される、
やっぱりすごいな。見応えあるな。


ビデオもうまく撮れた。

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もっと拡大した様子。

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オーロラも氷河も、こういう活動的な方が面白い。



しばらく氷河を見ていたら、とても寒くなった。
やはり氷に向かっていくのだから、漕がずにじっとカメラを構えているだけでは身体が冷える。
寒い、寒い。



そう言えば、くまさんのご両親も一生懸命漕いでいる。
私もちょっとは運動しなくては。
ようやく漕いでみた。



漕ぐと、なかなか面白かった。
去年のラフトは重くて全然漕げなかったけど、これなら楽しい。
そうか、カヤックは乗ってるだけじゃつまらないんだ。ちゃんと漕がないとね。


もう1つの全然崩落しない氷河を見た後に、岸に上陸した。
そこは、歩いて氷河まで行ける所。

氷河に触り、融けてる氷河水を飲んだ。冷たくて、美味しい水だった。

日帰りシーカヤック、とても面白い経験だった。

結婚記念日


7月15日は結婚記念日だった。
今年は10周年、スイートテンになるではないか。


「でも私はダイヤモンドよりも、氷河が見たい。」
と、その前の週末にシーカヤックに連れて行ってもらった。
当日は、軽く家でお祝いをする事にしていた。
リーガンはレストランでの夕食を提案してくれたのだけど、家でゆっくり食べたいと私が言ったのだ。


仕事をしてない私が出来る一番のプレゼントは、美味しい物を作って食べさせる事。
前の日にデザートを作り、ステーキとワインと心を込めたカードを用意して、リーガンの帰りを待った。




リーガンは、可愛いミニバラの鉢を抱えて帰ってきた。
その花だけで、もう心はいっぱい。とても満足して、料理の続きに取りかかっていた。




しばらくして、ふとテーブルの方に振り返ると、そこには大きな花束が。


もう、びっくり!
リーガン、いつの間に置いてたの?

そして、こんなプレゼントも置かれていた。


「アラスカセット」
ムースのコート掛けと、オーロラペンダント、「アイスエイジ」のDVDに可愛いラッコの写真。
アラスカ大好きの私には、どれも嬉しい物!




花に付いていたカードに書かれたローマ字を見て、私は笑ってしまった。


「アイシテルヨ。イツマデモ!」




それは10年前、ネバダ州リノの小さな教会で、英語の誓いの言葉の後にリーガンが突然叫んだ日本語だった。


そのローマ字の下には、こう書かれてた。

「10 DOWN 60 TO GO☆」




そうか、まだ60年は一緒にいられるのね。

幸せな10年間を、どうもありがとう。これからもどうぞよろしく。

子連れアウトドア合宿3 〜野外学習編〜


翌朝は曇り空。
昨夜のキャンプは、白夜で一晩中明るかったがぐっすり眠れた。さすがに疲れていたんだろう。


きすかさん達も起きだして、珈琲やホットチョコレートと簡単な朝食をとる。


ぼーっとしていた私のすぐ側を、何か茶色い物が横切った。


雷鳥だ!
可愛い赤ちゃん雷鳥もいるぞ。


雷鳥は、その周辺を赤ちゃんと走り回っていた。
なんか丸くて、ちょこちょこ走っていて、とても可愛い。
思わず笑顔になってくる。


その様子を見て、すぐに俳句を詠むきすかさん。
キャンプ俳句か。
色んな表現方法があるな。スバラシイ。




そしてリーガンは呟く。
「赤ちゃんがいるんだ。残念。
そうじゃなかったら、石で獲って今夜のおかずになったのに。






えっ!あんな可愛い鳥、あなたは食べる気ですか?





子供達は雷鳥にもかまわず、側の湖で飛び石をして遊んでいた。
昨日から、何回水を弾いて飛んでいくのか、競争しているようだ。平たい石を拾っては、湖に投げ入れ喜んでいる。

この辺には名もない小さな湖がたくさんあって、その中の1つの湖の側にテントを張っている。

バックパッキングでは、川や湖の側でキャンプをする。重たい水を持っていけないからだ。
この水で食器も洗うし子供は遊ぶし、水を濾して飲料水としても使う。





水際で遊ぶ子供達を見ていると、リーガンが湖の中に入っていった。

夏と言えども、ここはアラスカ。
湖の水は、冷たい。
それでもかまわず、リーガンはじゃぶじゃぶと水の中に入る。そして膝の所までくると、

「ここまで来られたら、パワーポイント10点!」
と、子供達に言った。

恐る恐る水に足をつけていた子供達は、それを聞いてシャツを脱ぎ、パンツ一丁で騒ぎながら湖の中に入っていった。



リーガンの所まで到達した、きすかさんの下の子、7歳のジョシュア。
この笑顔!


ジョシュアは昨日、重たい荷物が辛くて
「もう帰りたい。いつ家に帰るの?」
と何度も言ってたはず。

それが今日は打って変わって、
「楽しい!ずっと帰りたくない。」
とはしゃいでいる。
何も玩具やゲームがなくても、自然の中で遊べばこんなに楽しい。



もう冷たさも気にしないで、水の中を泳ぐ子供達。
こんな経験が、一生の思い出になっていくんだろうな。





山の天気は変わりやすい。
さっきまで、Tシャツで大丈夫だった温度が急激に下がり、みるみるうちに黒い雲が出てきた。



ぐるりと見渡せるこの丘からは、雨の降っている場所がよく分かる。
その雨雲が真上にやってきて、辺りは暴風雨となった。

しばらくテントに避難する。
びゅんびゅんと激しい雨風に倒れそうなテントの中でトランプや伝言ゲームをして、嵐が過ぎ去るのを待った。





雨が止むとリーガン隊長が、探検に行くぞとみんなに告げた。

風が収まると、途端に蚊の大群がやって来る。
こんな蚊防止アミを被って、探検に出かけるちびっこ隊。


一同は、一列になって隊長の後に続いていった。

湖を越え丘を越え、まずリーガンが連れてきたのは、こんな雪の固まりがある場所。


この雪の下に、ベーコンやらハンバーグやら食料が隠されていた。
昨日のうちにリーガンがここを見付け、食料の保存場所として使っていたらしい。冷蔵のため以外にも熊防止のため、食料はテントから離れたここに置いたらしい。

この雪の綺麗な部分を水として補充するという指令を受け、みんな水筒の中に雪を積める。


そしてまた、どんどん歩き出す。
今日は荷物がないぶん、昨日よりもみんな軽快に歩いていく。




途中で珍しい物を発見すると、リーガンはその場にみんなを集め講義を始める。


この場所で説明していたのは、山で見付けられる濾さなくても飲める水の見付け方。
こんな知識があると、どこでも生き延びられるぞ。





まさにサバイバル学習。


これは役立つ(アラスカでは。)。




そして次にリーガンが止まった先には、熊の足跡が。
大きな大きな足跡だった。
でも結構古そう。足跡の中から草が生えていた。リーガンが、去年の秋頃の物だろうと言った。
その一帯には、ブルーベリーの木がたくさんあった。まだ実は成ってないが、あと1ヶ月もすれば辺り一面ブルーベリー。たくさんの熊が食べに来るだろう。



今回のキャンプ、実は私は熊の事をちょっとビビっていた。
と言うのも今年は熊の出没が多く、何人もの人が襲われ怪我をしたというニュースをよく聞くからだ。

このキャンプではガンは持っていかないし、子供もたくさんいるので余計に、万が一の防御策を考えなければいけない。

覚悟して、この場に来たのだ。


でも来てみると、動物がほとんどいない。
今まで見たのは、今朝の雷鳥とホッキョクジリス、あとは名前の知らない鳥だけだった。
この周辺は低い植物しかなく周りがずっと先まで見渡せるので、木の間から突然に熊が現れるなどという心配はしなくても大丈夫だ。
きっと、このブルーベリーが成る頃にしか熊はやって来ないんだろう。

一同は、遥か遠くに見える山の上を目指していた。

「あの山の上にいるドラゴンをやっつけて、プリンセスを救うんだ!」
リーガンはそんなファンタジーな事を言った。
そんな言葉に、ちょっとシラケるティーンエージャー組。

「プリンセスなんて、何処にいるんだよ〜。」



「ほら、ここにいるじゃない!」
私ときすかさんを指差すが、その言葉にますますシラケる、大きな子供組。
ま、プリンセスはないか。




そんなこんなで2時間歩いて、頂上に到着。
そこは、こんな氷河が見渡せる所だった。


みんなで広大な景色を眺めてから、今度は落石実験をした。


この側の崖の上に立つ。
リーガンが、子供達を2人組にし安全な場所に座るように注意してから、大きな岩を崖から落とす。



どういう風に転がっていくか、真剣に見詰める子供達。

大きな岩はゴロゴロと転がり、あちこちでぶつかって砕けながら、下まで落ちていった。
下まで到達すると、歓声を上げる。
リーガンはその後も色んな岩を落として、その様子をみんなで見守った。


無事に実験が済んでから、もと来た道を戻る一同。



キャンプ地に帰ると、お楽しみのキャンプファイヤーだ。
周りに大きな木が生えていないため、手分けして枯れ木を探しまわる。
小さな枝も、みんなで探せば大きな山となった。


マックスが大事に抱えてきた木は、ベースに置く木として大切な役割を果たした。
マックス、グッドジョブ!


夕食のメニューはハンバーガー。
レタスとトマトとチーズは、1組ずつジップロックに入れてきた。

リーガンがキャンプファイヤーで焼いたハンバーグをパンにはさみ、この野菜セットを一緒にいれて作った。

これは美味しい!
外で食べると、格別に美味しいな。


夕食の後はマシュマロを串に刺して焼き、甘い香りの漂うそれをチョコレートと一緒にグラハムクラッカーに挟む。子供はみんな好きな、サモアの出来上がり。

お腹も心もいっぱいで、みんな大満足した。
食事が終わり私は一通り食器を洗ってから、トイレ(と自分が決めていた、丘の向こう)に行った。


そこで私が見たものは!!





生々しい、熊の足跡。

ハイキング中に見た物とは違って、新しい物だった。はっきりくっきりと、黒々とした土の上にたくさん付いている。





...いるよ。熊。





なんだか寒気がした。1人っきりでこんな所にいるのも怖い。
急いでテントに戻る。みんなもう、テントの中で休んでいる様子だった。



リーガンに、近くで熊の足跡を見たと興奮して告げる。
するとリーガンは驚きもせず、

「ああ、あれは新しい足跡だね。多分、2,3週間前の。」







リーガンよ、知ってたのか。


とりあえず、その夜はナイフを側に置き、恐る恐るテントで寝た。
きすかさんには黙っていたので、彼女はぐっすり眠れたようだった。


熊に襲われる事もなく、無事に翌朝を迎える。その日は雨の中パッキングし、道なき道を下りキャンプ終了。
色んな思い出が残った、楽しいキャンプとなった。
                              〜おしまい〜

子連れアウトドア合宿2 〜妥協しないキャンプ編〜


キャンプ当日の朝。
集合時間の朝9時半にうちに来たきすかさんは、持って行くバックパックを見て、目を丸くしていた。





「こんな大きな物を、本当に背負って歩くの?」


電話で話を聞くのと実際に実物を見るのとでは、印象が違ったのだろう。
リーガンによって荷物を詰められたバックパックは、山のような大きな物体になっていた。

そんな驚きのきすかさんに追い打ちをかけるように、今日の目的地への地図が手渡される。



「はっ?ここって、どこ??」


一目見ただけでは何処だか分からない、道も何もないような山の中。そんな地図だ。
その場所は、アンカレッジからかなり離れた場所。きすかさんがこの18年間のアラスカ生活で一番遠くに運転した場所から、さらに4、5倍も遠い所にあった。

私はハイウェイを運転出来ないので2台の車のうちの1台は、きすかさんが運転するしかない。







きすかさん、しばし呆然。





「大丈夫!きすかさんの運転なら、全然平気だって。」

自分は出来ないくせに、無責任にも簡単な事をすぐ言う私。
しかしそんな言葉を聞いて、きすかさんは、


「そうだよ、大丈夫だ。出来るよ。じゃあ、行こう!」



と、強く言った。
すぐ気持ちを切り替えて、立ち向かっていくこの強さ。さすが、きすかさん。この人といると、元気が出るな。
でもきすかさん、その言葉って自分に言い聞かせてる?




きすかさんの車に私も乗せてもらって、前に行くリーガンの後を追いかけるドライブとなった。
リーガンには、
「きすかさんは、そんなに遠くには運転した事がないからね。」
と言っておいた。



ところがリーガン、飛ばす飛ばす。まるで後ろの私達を気にしていないかのように、グレンハイウェイを、びゅんびゅん走っていく。




「ぎゃー。リーガンさん、なんでこんなに飛ばすのよぉ。女子供が後ろにいるって事を、忘れているのかー!」


きすかさんはぎゃんぎゃん騒ぎながらも、上手く運転しリーガンに付いていった。



だが、私は知っている。
リーガンはちゃんとバックミラーで、きすかさんを見ながら運転している事を。


そして、
「60マイルは出せるのか。じゃあ、65マイルはどうだ?」

などと、後ろの様子を見ながら、徐々にスピードを出している事も。







きすかさん、あなたリーガンにテストされてるよ?



そしてそのテストに、ちゃんとパスもしているし。

それにしてもアラスカの景色は、なんと美しい事か。
アンカレッジをちょっと離れると、大自然が広がる。
大きな大地や山、ポカリスウェットのCM撮影も行われたマタヌスカ氷河、エメラルドグリーンの湖に浮かんでいる水上飛行機。
そんなに遠くに行かなくても、どこでもキャンプが楽しめそうな感じだ。


しかし、リーガンは走り続ける。どんなに美しい景色が目の前に現れようと、たとえ何時間も運転しようと、行くと決めた所に必ず行く。
そして周りを巻き込み、みんなを冒険させる。そんな男だ。




妥協をしない男、それがリーガン。





途中小さな飛行場で休憩。昼食のサンドイッチを食べ、また走る。
どんどん人も車も少なくなりデナリハイウェイに入ると、そこは砂利道。砂埃をあげながら、走る走る。
そしてようやく、目的の駐車場に到着。

ここまでアンカレッジから車で6時間走った。
この時点で、夕方の5時。


日は暮れない、ここは白夜の地。
さぁ、今からだ。歩くぞ!


こんな大きな荷物、背負うのは初めての子供達。みんな、おっかなびっくり。ふらふらしながら歩き出す。


目指すは、今夜の寝場所だ。
それも、妥協しない男が納得するような、素晴らしい景色の寝場所。

この逞しい背中について行け。


360度全部見渡せる、こんな景色。とっても壮快。
空気も澄んでいる。


前を歩いているのは、9歳のマックス。
「キャンプ地で、木がなかったらキャンプファイヤーが出来ないから。」
と、こんな丸太を持ってきた。




「重いから、これは置いていって。」
と何度きすかさんが言おうとも、

「いや、これはキャンプファイヤーにするんだ。」
と意思を曲げずに、重い木を自分で持って歩くマックス。




そうか、きみもか。

きみも、妥協しない男なのか。




最初はみんな張り切って歩いていたが、1時間もすると、慣れない重い荷物に挫けだす。
文句が出たり、弱音を吐いたり。辛くて泣き出す子供もいた。




でも休憩を取り水を飲んで、元気になったらまた歩き出す。

自分で歩くしか、選択はない。
出来ないと言っても、子供はまだ頑張れる。そして出来たら達成感で自信がつく。
みんなガンバレ、ガンバレ。


3時間、歩いた。
重い荷物を持ち、みんな疲れ切っていた。


「もうこの辺で、いいんじゃない?」
リーガンに聞いてみるも、


「まだもう少し。ここではまだ、車の道が見える。」






車の道って、ずっと遠くの下の方に、1時間に2台も通らない道があるだけなのに...。
もちろん人間なんて、ここには私達以外、誰もいない。




どんだけ妥協しない男なんだ!



うちの子供達は慣れているけど、きすかさん家族にとっては初めての体験。
もうそろそろ許してあげないとキャンプが嫌いになるのでは。



「子供も疲れて泣いているよ?」
と言ってみる。




「泣いてるからと許していたら、子供は成長しない。俺は行くぞ。」


と、リーガンは子供の荷物も入れて3人分のバックパックを1人で背負い、前を歩いて行った。



その後ろ姿を見て、ちょっと闘志が湧いてきた。

「さぁ、もう少し歩くよ。」
と言うと、さっきまでもう動けないと言っていた子供達が立ち上がった。
リーガンの姿を見て、子供達も何か感じたのか。
もう、文句は言わなかった。



妥協せずに歩き、到着した今日の寝場所。
子供達の顔は、達成感で清々しい。


そこで食べたのは、ただのホットドック。でもそれが、どんなごちそうよりも美味しかった!
夜の10時前に見たそこの風景は、不思議な光が射し、何か神秘的だった。

子連れアウトドア合宿1 〜準備編〜


夏だ、
夏が来た。
そうだ、キャンプに行こう!



待ちに待った、今年初のキャンプを独立記念日の週末にした。
今回は、友人きすかさん家族を連れて行くキャンプ。
リーガン隊長率いる、大人3人子供6人の「子連れアウトドア合宿 2泊3日」だ。



きすかさんとは、アラスカで知り合った大切な友達だ。
大きな心を持った、とても楽しい人。

きすかさんは18年もアラスカに住んでいて、子供がなんと6人もいる!
それだけでもすごいのに、元看護婦で海外協力隊の経験もある彼女は、下の子がやっと手を離れたと去年から学校に通い始めた。アラスカでも看護婦の道を目指すパワフルウーマンなのだ。



アラスカに長年住んでいながらも、きすかさんはまだキャンプをした事がないらしい。
いや、
「1回は家族でキャンプをした。」
とは言っていた。が、よく聞いてみるとそれは、夜に車で予約していたキャンプ場に行き、夕食を作ってテントで寝て朝帰っただけ。








そんなのメルモ家では、キャンプとは呼びませんから。



きすかさんを本当のキャンプに連れて行き、この素晴らしい景色を見せたい。去年からそう思っていた。
あのタフなきすかさんとあの子供達なら、うちの少々ハードなキャンプにも付いてこられるはず。そして楽しんでくれるはず。
その証拠にも、きすかさんは去年こんな重大なヒントを私にくれていたではないか。



それは私の弟が日本から友達を連れてアラスカに遊びに来た、去年の夏の事。
私とリーガンは、張り切ってアドベンチャーなアラスカのキャンプを計画していたものの、

「トイレのない所でなんてキャンプ出来ないと、友達も言っている。」
とあっさり却下されてしまい、がっかりしていた。

その時、きすかさんは確かにこう言ったのだ。




「トイレがないからキャンプ出来ないなんて。

何しにアラスカに来るんだ!






...きすかさん、言ってしまったわね。


それじゃあ一緒に、本当のキャンプに行こうか。
穴を掘って野原でトイレするキャンプにね☆





きすかさんの旦那さんは、その週末に用事で違う州に行くため不参加。(逃げた?)
そして子供6人のうち、参加するのは7歳から13歳までの下の4人。


行き先は、去年行ったターミガンレイクでバックパッキングする事に決定した。やはり一度行った事がある所の方が、安心して初心者を連れて行ける。荷物はすべて、リーガンが準備した。


きすかさん家族のバッグは、アウトドアショップからレンタルし、うちでパッキング。
こんなメモを書きながら、メニューを考えるリーガン。
可愛いので内緒でアップ。

一週間かけて、毎日少しずつ9人分の準備をしていたリーガン。

きすかさんの方は、日にちが近づくにつれ急に焦りだした様子だった。



そりゃそうだ。なんせ、初めてな事。
何を持って行ったらいいのか、いったいどんな事をするのか、子供も多いので心配な事もあるだろう。
前日なんて何度も電話をくれて、せっせと用意しているのがよく分かった。



そして迎えた当日の朝。
外の天候は、曇り雨。
起きてからずっと、インターネットをチェックしていたリーガンが、ここで判断を下した。




南は雨だ。北に行こう!





なんと当日になっての、行き先変更。






天気予報をずっとチェックをしていたが、よくなる様子もない。南の方は3日間ずっと雨の予報。北のフェアバンクスまで行くと晴れなので、出来る限り北に行こうという事だ。


だってきすかさん達にとって最初のキャンプなんだから、それがずっと雨なんて楽しくないじゃないか!最初の印象って、とっても大切だ。





変更した行き先は、マクラーレン・サミット・トレイル。
アンカレッジとフェアバンクスの間にあるその場所は、その朝にガイドブックで見付けたばかり。当然、行った事はない。


そこに行くためには、きすかさんは6時間もハイウェイを運転しなければいけなくなりそうだ。
きすかさん、ハイウェイは1時間くらいの距離しか走った事ないって言ってたなぁ...。




出発の2時間前に、計画変更をきすかさんに電話する。
きすかさん、驚くだろうなー。
って言うか、普通怒るか。それとも、パニック?






しかしきすかさんは、余裕の大爆笑だった。





いいねー、さすがだ。
ダテに6人も子供を産んでないぞ。ちょっとやそっとでは、動じないね。


心配したって何も始まらない。天候で急に計画が変わるのなんて、アウトドアを楽しむためにはよくある事よ。
特にリーガンと一緒にいると、柔軟な心は必要。

この人に付いていけば驚く事が多いけど、きっとすべてがダイジョーブ。
そして楽しい3日間になる事は、間違いなし!

エアショー


週末にアンカレッジにある空軍基地で、航空ショーが開催された。

2年に1度のこのショー。
特に今年は、アラスカ州立50周年記念という事で盛大に行われるらしい。
しかも観覧料は無料。





タダ!!


これは行けなければ!



エアショーは10時半開始で、基地の近くから無料シャトルバスが出る。駐車場に困らないための配慮だ。

私達は朝、10時15分にバス乗り場まで行った。
そこから基地まで車でだいたい15分くらいなので、まぁ間に合うだろうと思って行ったのだが...。







バス乗り場には、すでに長蛇の列が!!




すっごいたくさんの人が並んでいた。
しかしそこにやって来たのは、2台のスクールバスのみ。

そのバスも、少人数を乗せて行ったっきり、2度と帰ってこなかった。





しまった!アラスカを甘く見ていた。
こんなに人が集まるとは。



もっと早起きして来るべきだったと、後悔しても後の祭り。
全然動かない列に並んでその場に立っているうちに、基地では航空ショーが始まった様子。

飛行機から降りてくる、あの小さな黒い点はパラシュート?



見えません。こんな遠い所からは。





結局その場で1時間も待たされ、そしてやっと来たバスに乗れたものの、今度は大渋滞でバスが動かない。
しょうがないので、バスを降りて会場まで歩く私達。



いったい何の騒ぎだ、これは?
アラスカでこんな事があるのか!




きっと、アラスカ中の人が同じ場所に行ってるんだ。
こんな大渋滞、アラスカであり得ない。
だいたい、こんなにたくさんの人をアラスカで見た事がない。




そんな事を言いながら、歩いて基地の中に入る。
すると基地では、ミリタリーの人にこう言われた。


「歩く時、充分に気を付けて。が出るから。」






やっぱりアラスカは、注意事項が違うな...。




結局、そのバス乗り場から会場までかかった時間は3時間!




15分で着くところが3時間。


後で分かった事だが、その日の人出は9万人だったそうだ。


9万人!
アンカレッジの人口、25万人しかないのに。




ところで肝心のエアショー。
1時に到着した私達は、ショーの半分は見られなかったわけだが、それでも充分に見応えがあった。


特に印象に残ったのが、F22ラプターとサンダーバーズ。


F22ラプター。


これは飛行機というより、未確認飛行物体に近くないか?



F22ラプターとP51マスタング。
新・旧戦闘機の共演。

(終わりの方のビデオの失敗は無視して下さい。)

[#VIDEO|DOGALOG|48023670/48023670peevee174232.flv|23670|174232|20#]


そしてサンダーバーズ。




動画はこちら。
(めちゃめちゃ速い!)

[#VIDEO|DOGALOG|48023670/48023670peevee174228.flv|23670|174228|6#]

確かにすごい航空ショーだったが、それよりも、人の多さにびっくりした私達。
プロフィール

Nami

Author:Nami

アラスカ在住。

アメリカ生活19年。(いつの間にか)
99年に島根県隠岐の島で知り合ったアメリカ人リーガンと結婚し、テキサス移住。
2006年に夫の思い付きでまさかのアラスカお引越し。
息子は2人。(ムサシ&アラシ)
アンカレッジの山の家に住んでます。

夏はアウトドアで遊び、冬はひたすらジムに通う。
現在は、釣りとズンバに夢中。


「心も身体も健康に。毎日ハッピー」が私のテーマ



*ズンバインストラクター
アンカレッジでズンバクラスをしてます。ぜひ参加して下さい!
初心者大歓迎。

ズンバクラスのページ






*西邨マユミ アラスカ支部マネージャー
アラスカでプチマクロお料理教室してます。お仕事の依頼は
AKiroiro@gmail.com
まで。







ブログの感想など、メールしてもらうと嬉しいです。
AKiroiro@gmail.com



ブログに掲載されている文章や写真の無断転載はお断りしています。
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