ホーマーキャンプ旅行その2 嵐からの脱出



テントが出来上がったので、中に入って寝袋とかの準備をしていた。
ごーごーと音を立てて、すごく強い風が吹いている。





「あの人達に手伝ってもらって、ホント助かったよね~。」
「そうだね。アウトドアに詳しそうな人達だったね。」
「これはいいテントだから、大丈夫って言ってたよ。」


マーモットのテント。細いフレームが、強風に耐えている。
良かった、安いテントを持ってこなくて。







「で、これから何するの?もう寝るの?」
時計を見ると、10時を過ぎていた。


マギーから、Salty Dawg Saloon に飲みに行くから一緒に行こうと誘われていた。
あのお店、一回だけ写真を撮りに中に入ったことがあるけど、個性的な面白そうなバーだった。

行ってみたいけど、ここからこの強風の中に歩いて行くのはちょっと遠いな。








「今日するのは本当のキャンプじゃないって言ってたけど、あの意味は何?」
とクリスティーナに聞かれた。


ああ、あれね。
本当のキャンプじゃないと言ったのは、車で行ってキャンプ場にテント張ってするオートキャンプは、本当のキャンプじゃないとリーガンがよく言ってたから。


友達と大騒ぎしてお酒飲みながらするのは、キャンプじゃなくてパーティー。
本当のキャンプは、誰もいない自然の中で静かにするもの、といつも言ってた。





道が見えたらダメ、人や車が見えたらダメというリーガンのうるさい注文で、人間が作った物は何一つない大自然の中まで、家族だけで歩いて入っていくキャンプを前はよくしてた。

あれよりは、今日は全然簡単なキャンプという意味だったんだよ。






でも今のこの過酷な環境。
ごめん、簡単なキャンプじゃなかったよ!

Party on the beachじゃなかった。この嵐はかなりのアドベンチャーだよ、と笑い合った。









「これから何をするの?」と繰り返して言っていたクリスティーナは、寝袋の中でもう声を出さなくなった。


寝たのかな?

風はどんどん強くなり、それに雨も降ってきた。
ごーーーっとものすごい音を立てて、テントが揺れている。

寝ようと思っても眠れない。こんなにうるさい風に煽られ揺れてるのに、クリスティーナは本当に眠ってるの?




その夜は、ほとんど眠れなかった。
うとうととしても、すごい風の音で目が覚める。

今までたくさんキャンプしたけど、今までで1番暴風雨の中のキャンプだった。
どうかテントが壊れませんようにとだけ祈っていた。




マギーが、もっとすごい風の日もキャンプした事があるから大丈夫と言っていた、その言葉に夜中に何度勇気付けられた事か。
いざとなったら、すぐ側でキャンプしているあの人達に助けてもらえばいいし。


夜中の2時ごろ、外で叫び声が聞こえた気がして出てみると、あのグループがバーから帰ってきたみたいだった。元気な人達だ。
それから寝袋の中で、ずっと夜が明けるのを待っていた。






朝6時ごろ、ようやく風が弱まり太陽も出てきて、嵐は終わったかのように思えた。少しだけ眠れた。

また強い風の音で目が覚めた。
「雨が降ってる!」
と、驚きの声を出すクリスティーナ。彼女もようやく起きたみたいだ。



「降ってるって。今更気付いたの?昨日からずっと降ってるよ。今よりも昨夜の方がすごい風と雨だったよ。」
クリスティーナは知らなかったと言った。




…よくあの中で眠れたよ。と言うか、熟睡してた?
すごいわ、クリスティーナ。羨ましいわ。


この人、どこでも生きていける人なのね。
そう言えば、インドに長年住んでたと言ってた。さすがだ。







風がまた強くなってきて、ごーごーとテントが激しく揺らされた。
「Namiさん、危ないです。もう逃げましょう。」
と、クリスティーナが言った。


確かに。
もうここから脱出した方が良さそう。テントが飛ばされかけてる。




でもこの強風の中、どうやってテントを畳むか、だ。
1人は中でテントを支えてないと、飛んでいきそう。
支えてる間に、もう1人が荷物を車の中に運んで、とにかくテントを小さくして車の中に全部放り込んで逃げようという作戦で、話がまとまった。







まずはクリスティーナが支えてる隙に、私が荷物を運んだ。
そして今度は交代して、クリスティーナが外に出てテントのポールを外し小さくしていった。


強風の中、きゃーきゃー言いながら動く。もう大変!



テントを丸め込んで、何とか車の中に詰め込んだ。
忘れ物がないか確認してから、急いで車を動かす。

砂から車が出られるか心配だったが、昨日の人達がタイヤの後ろに石を積んでくれていたみたい。お陰ですんなりと車は動いた。






脱出成功!
やったーー!


クリスティーナと笑い合って喜ぶ。





クリスティーナ、なかなか強い。
お互いに笑顔でピンチを切り抜けられる友達って重要。
この人となら、助け合って色々遊べそう。またキャンプに一緒に行きたい人。


車もうまく抜け出せてよかったよ。誰か知らないけど石を下に敷いてくれた人、どうもありがとう。




後日談になるが、帰った後にマギーとコンタクトして知った事実。
このグループは、鮭の生態を調査するためにこれから4ヶ月間キャンプ生活をするチームだった。

この後ブッシュプレーンで人のいない大自然の中に入ったらしい。荷物はヘリコプターで現地に運んで。



どうりで!
レベル高いはず。





そしてマギー
フィッシュ&ゲームで働いたり、リバーガイドやスノーボードインストラクターだったり、アウトドア能力のすごく高い人。

1人でハイクやキャンプに行ったり出来る、強くてかっこいい女。
ますます惚れるわ。


9月にキャンプから帰ってきたら、一緒にキーナイリバーで釣りをしようと約束した。
それまでに魚が釣れるようになってないと!





朝食はFresh Sourdough Expressへ。
この前ホーマーに行った時に、見付けたカフェ。




何食べても美味しいし、お店の人がすごくフレンドリー。


強風の中スピットでキャンプした事を告げると、
「テントが飛ばされなくて良かったね。」
とウェイターのお兄さんに言われた。



去年このお兄さん、ビーチにテントを張ってここで仕事をしてたそう。
仕事から戻ってみると、テントが飛ばされてなくなっていたらしい。
それは悲しい。






ホーマーを後にして、次はニニルチックという村に向かった。
クリスティーナが、とてもロマンチックな場所だと言うから。




ニニルチックがロマンチック?そんな場所あったっけ?
何回か行った事あるけど、寂し気な村という印象しかないけど。







ニニルチックには行ってみて分かったよ。確かに可愛らしい村。
でもクリスティーナにとって、個人的にロマンチックな思い出のある場所なのね。


7年前にここで結婚式の写真を撮った話しをしながら、思い出したのか涙ぐむクリスティーナ。





実は私、クリスティーナの旦那さんとも友達。と言うか、クリスティーナに会う前から旦那さんとは友達だったよ。
こんな可愛い人と結婚して、Sさん幸せだね。ホント良かったよ。








ニニルチックにあったお土産屋さん。
ちょっと怖そうなおじさんだけど、話すとフレンドリー。



村に住んでるのは16名程だとか。
夏になると人数は増える。特にもうすぐキングサーモンの季節だから。



キングサーモン釣りに、ここに戻ってこないとね。





今年最初のキャンプ。


ハラハラドキドキで楽しかった。この夏は、たくさんキャンプに行きたい。
面白い事、たくさんありそうな予感。
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プロフィール

Nami

Author:Nami

アラスカ在住。

アメリカ生活19年。(いつの間にか)
99年に島根県隠岐の島で知り合ったアメリカ人リーガンと結婚し、テキサス移住。
2006年に夫の思い付きでまさかのアラスカお引越し。
息子は2人。(ムサシ&アラシ)
アンカレッジの山の家に住んでます。

夏はアウトドアで遊び、冬はひたすらジムに通う。
現在は、釣りとズンバに夢中。


「心も身体も健康に。毎日ハッピー」が私のテーマ



*ズンバインストラクター
アンカレッジでズンバクラスをしてます。ぜひ参加して下さい!
初心者大歓迎。

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*西邨マユミ アラスカ支部マネージャー
アラスカでプチマクロお料理教室してます。お仕事の依頼は
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